薬物療法と心理社会的治療

医薬品

クリニック選択のポイント

妄想や幻覚といった症状が出る疾患を精神病としていますが、その代表的なものが統合失調症です。ただ、これは最も重たい症状の患者を指します。軽度な症状の患者は順番に、統合失調型障害、妄想性障害、短期精神病性障害と診断され、統合失調症様障害がこれに続きます。統合失調症は、妄想や幻覚があり、話が脱線する、行動にまとまりがないといった陽性症状と、無感情、無意欲といった陰性症状があるのが特徴です。1ヶ月以上これらの症状が続き、社会生活や家庭生活に大きく支障を来たしている場合に診断されます。診断の際には、妄想が起きる妄想性障害や緊張病、双極性障害などの他の精神病でないことを明確にする必要があります。治療は急性期と回復期、維持期に分けて治療計画が立てられ、薬物療法と心理社会的治療を一緒に進めるのが一般的です。急性期は陽性症状の緩和を目的に、環境調整と薬物療法に重点が置かれます。妄想などが激しい患者は入院措置が取られることもあります。陽性症状が落ち着き回復期に入ると、現実が見えてきて、心身共に疲弊する患者が多いです。精神病に罹ったというショックもありますし、今後に不安を覚える患者も少なくありません。このような気持ちを受け止め、治療では支持的精神療法や認知行動療法などを行っていきます。支持的精神療法は医師が患者に共感し、薬物療法が効果的なことを説明、さらに不安が払拭できるようカウンセリングを行う療法です。そして認知行動療法によって、捩れている信念や思考のクセを修正していきます。精神病の一つである統合失調症は、妄想や幻覚を伴うため、社会生活に著しい影響を及ぼします。家族や周囲の人は、できるだけ早く受診を促してあげるのが理想です。ところが、何をするか予想できない疾患というイメージが世間的に強く、隠そうとする家族も少なくありません。でも精神病は自然に回復するのは困難で、こうした対応は病気を悪化させるだけです。本人も家族も辛いですが、一緒に乗り越えていくことが大切です。統合失調症の診断や治療は、主に精神科で行っています。大学病院のような大きな医療機関は紹介状が必要になるため、クリニックに予約を入れてから受診するのが一般的な流れとなります。妄想や幻覚がひどい場合などは、入院設備のあるクリニックを受診するといいでしょう。それから、医師によって専門分野や得意分野は違うので、統合失調症の治療を得意としているか確認すると良いです。また、クリニックによって治療方針は違うため、どのように治療を進めていくのかも確認しておきます。統合失調症の治療においては、医師との相性も考えたいところです。支持的精神療法によって医師と患者の絆を作り、治療の基礎を築きますが、相性が良くない場合は信頼関係が結べない可能性があります。また、近年は脳科学の発達によって、脳画像検査や脳機能検査を行うことで、より正確な診断とより良い治療方針の立案が可能になりました。より正確な診断を行って欲しいと言う場合は、脳画像検査機器などの検査機器を導入している大学病院などを紹介してもらうといいでしょう。